市田柿が出来るまで

市田柿が出来るまで

干し柿というとドライフルーツのような硬いイメージを持たれて 「ちょっと苦手」 という方がいらっしゃいます。
ところが、金の柿の「市田柿」を食べると 「おいしい!こんな干柿初めて!」という声をいただいています。
その理由をこれからご案内します。
…と、その前に、まずは干し柿ができるまでをご紹介しましょう。

「市田柿」は長野県南信州の特産品

天竜川沿いでは昔から保存食とされてきた干し柿を、この地域の名前をとって「市田柿」としてきました。

柿色をそのままに、周りにつく粉(こ)は均一で美しい。

この伝統的な保存食を守るために市田柿ブランド協議会を発足し「市田柿」の商標登録を行い地域のブランドとなりました。

「市田柿」は渋柿からできています

柿には「甘柿」と「渋柿」がありますが、干し柿は「渋柿」からできています。

渋柿を間違って口にすると、しびれるように舌が刺激され、とても食べられません。これは渋みを感じる物質「タンニン」が原因です。このタンニンは、渋柿を干すことで不溶性となり渋みを感じなくなります。

なぜ渋柿を干すと甘くなることを知ったのか?なぜ渋柿を保存食にしたのか?昔の人の知恵から生まれたのでしょう。

「市田柿」は素晴らしい環境で育ちます

緑と清流のむら「豊丘村」は、天竜川を根底とする河岸段丘にあり朝晩の寒暖の差が激しく、東側に位置する事で西日が最後まで当たるという長い日照時間で良質の柿が生まれます。

そしてなんといってもアルプスのめぐみと太陽のひかりをいっぱいに浴びて立派な柿へ育ちます。

「市田柿」はデリケートです

柿は放っておいても橙色の実をつけるイメージですが、意外とデリケートなのです。

年明け早々のまだ雪が残る寒い時期に剪定作業を行い、栄養の通り道を作ってあげます。余分な芽は全てつまみ取り、主要な枝だけを残してあげなければなりません。

害虫や病気も発生しやすいため柿の木の顔色をうかがいながら必要最小限の消毒作業を行います。

こうして寒い冬を越えた柿の木は、5月頃かわいい花をつけます。柿の花ご存知でしたか?咲いている時期も短いので気にしていないと見逃してしまうんですよ。

そして6月になると小さな実をつけます。

「市田柿」の栽培方法から厳選に

遠赤外線効果のある黒い粉末「シリカブラック」を栽培から使用しています。このシリカブラックを柿の木の株元に塗る事で育成光線が放射され、柿の内部組織が活性化され良質な生柿の生産につながります。

このシリカブラック農法はすべての柿の木に採用されているわけではありません。厳選された柿の木にはシリカブラックを塗られ、より大きく色の良い柿が収穫され、厳選された「市田柿」へと加工されていきます。

「市田柿」には天竜川の朝霧が欠かせないもの

「市田柿」発祥の里、南信州の天竜川沿いには、十月半ば頃になると深い霧が発生します。

 冷たい霧を浴びながら干された渋柿は甘みが増し、まろやかで美味しい「市田柿」となるのです。

 各家の軒下いっぱいに吊るされた柿は「柿のれん」と呼ばれ、この季節の風物詩でした。

 現在は衛生上の指導から、販売される市田柿は、軒下ではなく、専用のハウスで乾燥・熟成させています。

「市田柿」の収穫は一つ一つ手でもぎ取ります

10月下旬、色付きと成熟具合をみて収穫となります。

柿色に見えてもまだ青みが残って未熟だったり、見た目は良くてもやわらかい過熟な実は良い干し柿にはなりません。しっかり見極めながら、吊るす部分のヘタを傷つけないように手でもぎ取ります。

さらに選別、大きさごとに分ける際、厳しい目で病害虫被害が無いかを検査します。

「市田柿」は全て皮を剥いて吊るします

一番手間のかかる皮剥き作業です。皮の剥き残し無く、またヘタの部分はきれいに残す。きめ細やかな作業となります。当園では、毎日約100コンテナ(約15,000個)を剥きます。全生産量が4,000コンテナですので約60万個にもなります。

この皮剥き作業、農家の保存食と加工していた頃は包丁でりんごの皮剥きのように手剥きをしていました。その後、柿を針に刺して回しピーラーで皮を剥くようになります。時代と共に機械化され、今ではお皿に置くと自動で皮が剥かれて落ちてくるまでになりました。

そして、皮が剥かれた柿を紐に吊るし、乾燥工程へと移ります。

「市田柿」の乾燥に遠赤効果のシリカボックス

干し柿を遠赤外線で!?と思われるかもしれません。

通常の加工方法では、外に干すことで自然乾燥を行います。すると、外側からだんだん乾いていくため柿の中まで乾くには何日もかかってしまい、中がちょうどよくなる頃には外側は硬くなってしまいます。

遠赤外線を体にあてると体の中から温まりますよね?

柿に遠赤外線をあてると内側から温まることで余分な水分を放出し、早く水分が抜けることで甘みを中に閉じ込めることができます。

「市田柿」には欠かせない粉出し作業

干し柿には粉砂糖のような甘い粉が付いています。この粉は人口の粉砂糖をまぶしているのではなく、ある作業をすることで柿の中から出てきます。それは「揉む」という作業です。

干した柿を紐から外し、ゴロゴロを揉みます。すると不思議、だんだん白い粉が現れてきます。

当園の遠赤熱処理を行った柿は、中がまだ柔らかいうちに揉み作業に入ります。柔らかいうちからの揉み作業は、強く揉むと破れてしまい、弱いと柿同士がくっついてしまうので、適度な力で素早く、何回も何日も作業を行います。

上質の市田柿にするには、この揉み作業が重要で、揉み方によって粉の出方が均一ではなくなってしまう場合もあり、非常に気を使う仕上げ作業となります。

こうして、中はしっとり外にはふんわり白い粉のふっくらした極上の市田柿が出来上がります。

「市田柿」の保存方法

市田柿が生産される時期は冬なので、直射日光・高温多湿を避け、涼しいところで保存してください。長期保存をする場合は、乾燥を防ぐためにラップに包むなどして、冷凍庫での保存をおすすめします。冷凍すると硬くなってしまいますが、手で少し揉むと柔らかさが戻ります。

暖かい室内に放置すると、表面の白い粉がなくなりベタベタしてしまうことがあります。これは表面の白い粉(ブドウ糖)が溶けた状態です。そのままお召し上がりいただいても大丈夫ですが、カビの発生が心配ですので、なるべく冷蔵庫に保管してお早めにお召し上がり下さい。

「市田柿」はワインにも

極上の市田柿は、バターやバニラアイスとの相性がよく、ワインに似合うスイーツとしても召し上がっていただけます。

簡単スイーツをご紹介しましょう!

市田柿バター 

 常温にしたバターに刻んだ市田柿を混ぜて冷蔵庫で冷やします。

 (レーズンバターみたいな市田柿バターになります。)

市田柿アイス 

 バニラアイスに細かく切った市田柿をのっけて。

 (口の中で一緒に溶けていきます。)

レモン風味ヨーグルト市田柿

 市田柿にレモンの搾り汁をかけて一晩冷蔵庫で冷やします。

 次の日それにヨーグルトをかけて。

 (甘さスッキリ、さわやかな味です。)

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